~コロナ禍で思うこと2022~ 村井嘉寛
今年も新型コロナの感染が収まっていない。第7波の流行が少し下火になってきた程度で、新型コロナウイルス変異株対応のワクチン接種が始まったばかりである。感染に対するリスクを気にする鬱屈した生活の中で、趣味は人生に彩を与えてくれる。私の趣味は旅行とグルメとゴルフである。最近は、旅行に行くことが少なくなっている。当然のことながら海外旅行はここ数年行けていない。4年前に行ったアフリカ旅行が最後で懐かしく思い出される。ロシアへも旅行したが、ウクライナ侵攻のこともあり、行っといて良かったなとつくづく思う。ニューヨークに10か月ほど留学していた関係で、アメリカのいろいろなところを旅したのも今となっては良い思い出である。留学して日本や日本人について外国に暮らしたからこそ客観的に感じられ、日本が安全な国だと実感できた。テレビでは物騒なニュースが流れてはいるが。総じて平和な国だと思う。アメリカのニューヨークではたった10か月の留学中に目の前で事件や犯罪を4件目撃することになったが、日本で長く暮らしているが、そんな経験はほとんどない。地震や集中豪雨などの災害が多いのは玉に瑕ではあるが、つくづく日本人に生まれて良かったと思う。もちろん日本料理の美味しさもそのことに一役買っている。
グルメは、コロナ禍で楽しみの一つとなったが、ミシュランガイドやグルメガイド本の助けを借りて、自分の食べたいもので店を探すのが楽しい。先日感染のことを考え能登を旅行先に決めて門前の総持寺に出かけた。その帰途に、ガイド本にあった珠洲の寿司屋に立ち寄った。私が店主に「能登は感染者が少なそうなので来ました」と言うと、店主は「人口当たりで言うと、能登も感染者多いよ」との返事だった。どこも安心できないのだと思いながら、久しぶりの美味しい寿司を食べて家路についた。いったいだれが寿司を考えたのだろう。寿司は本当に美味である。
私は何かを語るには最低10年継続して行うことが大事だと勝手に思っている。ゴルフは今年で初めてクラブを握って10年になる。最初の数年はゴルフ場にたまに行く程度であったので、本格的にやりだして数年というところではあるが、少しはゴルフについて語れると思っていたのだが、その域に達していないように思う。求めるものが高くなってしまったからかもしれない。10年といえば看護教育に携わって10年を超えた。看護教育で何か語れることはあるのかと自問してみる。親子関係の大事さが思い浮かぶ。悩みを抱える学生が意外と多くそうした学生と関わる中で、強くそう思うようになった。自己肯定感の低い学生が少なくないと感じていたが、その多くの学生は親子関係で問題を抱えている。自分自身の満たされない感情が、不安という形で表れているのだろう。親も含めたカウンセリングが必要な時代なのかもしれない。幸い私は親との関係は良好であった。親に怒られた記憶もほとんどない。両親は他界したが私の心の中に確かに生きている。私がどんな風に孫の心の中に生きるのか今から楽しみである。