学科・学年:社会福祉学科2年 総合科目(選択)
科目名:生と死の倫理学
内容:B型肝炎患者の声を通して考える「いのちの教育」
担当:境 美代子教授
講師:石井 翔太弁護士(石川県輪島市)、B型肝炎患者(全国B型肝炎訴訟北陸原告団)
今回の「いのちの教育」では、B型肝炎の感染拡大や歴史的背景などを踏まえて、実際に感染者の声を直接聞くことで、医療福祉の現場における感染者や家族の思いを理解し、偏見差別をなくした尊厳ある行動ができることを目的として開催されました.
最初に、石井弁護士から注射器の使い回しによる集団予防接種で肝炎ウイルスが拡大した経緯などの説明がありました。
続いて、患者ご本人から、職場を退職せざるを得ない経験や精神的に追い詰められた経験、現在の治療生活、薬を服用し続けることの精神的経済的負担、増え続ける発ガンリスクなどご自身の経験を伺いました。
最後に、「まわりの人に正しい知識がないままイメージが強調され、差別を受けたり、偏見の目で見られる現状がまだまだあるため、患者の七人に一人が誰にも相談できない現状があります。患者の皆さんが安心した生活を送れるために、正しい知識を持ち、患者の不安な声に耳を傾けて寄り添ってもらいたい」と将来医療福祉社会で働く学生たちに向けメッセージをいただきました。
<学生の感想をご紹介します>
・「あの時かからなかったら…」の言葉が心に残った。心に寄り添える福祉従事者になりたいと思います。
・過度な偏見を持たず、正しい知識を持って接することが大切だと思いました。
・肝炎とは何かしっかり理解することができました。自分にとってできることを考えていきたいです。
・今日の講義を聞き、如何にこの病気が当事者の方を苦しめているのかがよくわかりました。私たちが当事者の方に対して直接何かできるかと言われると難しいですが、福祉従事者を目指しているので、心の痛みや悩みを聞くことで少しでも心理的な負担を軽減することはできるのではないかと思いました。