ふくたんの図書サークル「ブッキッシュ」メンバーによる図書紹介第1弾です!
・サークルメンバーのインタビューはこちら→https://www.t-fukushi.urayama.ac.jp/blog/471
『ツナグ』辻村深月/著 新潮社
貴方にはもう一度会いたい人はいますか?
それとも会わない選択をしますか?
もう二度と会えなくなってしまった死者と一晩だけ再会を叶えてくれる使者(ツナグ)。それは死者の承諾が無ければ叶いません。突然死したアイドルが心の支えだったOL、年老いた母に癌を告知出来なかった頑固な息子、ライバルでもある親友への嫉妬心に苛まれる女子高生、失踪した婚約者を待ち続ける会社員………1晩の再会は4人に何をもたらすのでしょうか。
死んでしまった人に会うことは、残されたもののエゴなのでしょうか?
大事な人を失った辛さを忘れて生きていかなければいけないのでしょうか?
死生観を感じさせるファンタジー的要素がある中にミステリー要素もあり、読みやすく飽きのこない作品です。4つの短編に分かれていますが、それぞれの章に様々なバックグラウンドがあり、全く違う小説に感じます。今生きている何気ない日常が、かけがえなく心温まる読後感です。(看護学科2年生)