今回は社会福祉学科 竹ノ山教授より、社会福祉専攻1年の
「大学での学び方:アカデミック・スキルズ特別講座」の紹介です。
短期大学は、各分野の「職業教育」を行うだけでなく、高等教育機関=大学としての学び、すなわち幅広い「教養」=「知」を学び、「社会を生き抜く力」を身につけた人材を社会に送り出すことを使命としています。
大学での学びは、高校までの学びとは根本的に考え方が違います。
なぜなら「知」とは、単なる「知識の獲得」ではないからです。多くの学生にとって、これまでとは異なる新しい「学び方」を学ぶ必要があります。
そのため富山福祉短期大学では、1年生全員を対象に初年次教育として全ての学科で特別講座を開講しています。
それでは、高校までの教育と大学での学びの違いとは何でしょうか?
高校までの教育では基礎的な知識・技能を修得するために、すでに答えの確立された問題の解き方を学びますが、大学の教育では解決方法が確立されていない問題に対してどのように解決方法をつくりだすのかを学ぶのです。
したがって、授業で説明を聞いて公式を暗記して……、といった学び方は通用しません。
社会において課題となっている「問い」を発見し、関連する情報を収集し、解決策を多角的・協働的に考案し、つくりだした解決策を実践し、その効果を検証し、再び「問い」に立ち戻って解決策の改善を目指す、というサイクルを身につけることが「知」の修得です。
本講座では、そのような「大学での学び方」を理解するために、新しいアクティブラーニング・メソッドである「ポスターツアー」を用いて学びました。
このメソッドでは、まず学生を幾つかのエキスパート・チーム(専門家集団)に振り分けます。
今回は、「ノートテイキング・チーム」「プレゼンテーション・チーム」「レポート・チーム」の3チームを編成しました。
講座の第1ステップでは、各エキスパート・チームが与えられたテーマについての「ポスター」(発表資料)を製作します。
次に第2ステップで、各チームからひとりずつ集めて、新たなチームを形成します。
つまり、新たなチームには各ポスターのエキスパートがひとりずつ含まれることになります。
そして各チームがポスターをひとつひとつ見ていく「ツアー」を行いますが、このとき、ポスターの説明役をそれぞれのエキスパートが担当します。
したがって、一回りすると全ての学生が1回ずつプレゼンテーションを行うことになります。
この「ポスターツアー」は、学生が能動的に課題に取り組むアクティブラーニングであり、事前に情報収集してきて、それぞれの問題について考え、チームで協働しながら制作し、各自がプレゼンテーションを行い、多様な意見を共有するという「知」の学びに要求される多くのものが含まれています。
社会福祉専攻では、学生の能動的な学び=アクティブラーニングを重視し、本当の意味での「知」の修得を目指して教育の質の向上に取り組んでいます。今後も、授業内容など積極的にご紹介していきます。
社会福祉学科 竹ノ山圭二郎(心理学)
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