こんにちは! 看護学科の高田です。
いよいよ、明日は卒業式となりました。
私たち教員にとっては、3年間ともに学んだ学生さんたちとの別れでもあり、学生さんたちにとっては、新しい門出の日でもあります。
看護という「人をケアする」仕事を選んで、ひたむきに学修してくれた学生さんたちに感謝とエールを送りたいと思っています。
看護できる人になるためには、身体のしくみ、心のしくみ、社会的な人間の在り方など、多くの知識が必要となります。また、子どもからお年寄りまで様々な年代の方とかかわるため、各年代の特性の知識も必要となります。3年間は課題が多く、大変だったかとは思いますが、たくさんの患者さんや利用者さんとの出会いは、彼らをたくましく育てていただけたと思います。たくましく育ってくれた卒業生をみながら、明日は卒業式を楽しみたいと思います。
ところで、今の2年生ですが。1月から領域別の実習で学んでいます。2年生も明日は、今年度最後の実習日となります。私が一緒に学んでいる高齢者看護学実習Ⅰの近況をお話ししたいと思います。
実習施設は、特別養護老人ホームや老人保健施設です。入所の方やディサービスをうけていらっしゃる高齢者の方と一日をともに過ごし、入浴、排せつ、清潔、食事といった支援を職員の方とともにケアしながら、高齢者の老化や生活を学ぶ実習です。
その中で、利用者の方の身体とこころをいきいきするためのリハレク(リハビリテーション・レクリエーション)を、学生が企画し、実際に運用し、施設で実施しました。
高齢者の方々も、病気をかかえながらいらっしゃる方、老化によって筋力が低下し、移動も難しい方など、ゲームをともに行うにもさまざまな視点から計画を立てないとスムーズにいきませんでした。
あるグループは、さくらの花びらに、ひとりひとりの思い出を書いたいただき、桜の木に貼り付けた企画を行いました。利用者の方に「春」と聞いたら何を思い浮かべますかという問いに「チューリップ」「花見」「宴会」「弁当」「お雛様」「山菜」「入学式」「うぐいす」「蓮華」「たんぽぽ」等のたくさんの思い出が出てきました。利用者の方々が着席されているテーブルを回り、ピンクの花びらを桜の木にひとつひとつ咲かせていき、最後には満開のさくらになりました。それをみて、利用者の方も学生さんたちもほっこりする場面となりました。
また、別のグループでは、ボール投げを企画しました。最初はボールは軽いものがいいのではと考えていましたが、施設の指導者さんたちからアドバイスをいただき、大きさ(握れるもの)やある程度の重量がないととばないのではといった物品や、ボールを投げる位置やボールが入る箱の設定についても助言をうけました。さらに、実際に行うときも、スムーズに進むようにたくさんのご支援をいただけ、利用者さんたちに楽しんでいただけました。職員の方々もともにゲームに参加いただけ、全員でたのしい時間をもつことができました。
人生の先輩であり、さまざまな体験をされている利用者(高齢者)の方と接し、人が生きる上での価値や信念を目の当たりにし、学生にとって「生きること」を深く考えた時間となったようでした。
看護は、「人」を支える仕事になります。まずは、「人」はどう考え、どう行動するのかを知らなければ、看護はできません。今回の実習が、その対象理解の出発点となったことは間違いないと私は、確信できました。
学生さんたちが皆輝いてみえました。きっと素敵な看護師となれると実感できた時間でもありました。