『マクベス』 シェイクスピア/著 福田 恒存 (訳) 新潮文庫
学生時代にシェイクスピアを読んだ時には、激流にのまれるような怖さを感じました。中でもマクベスは最も恐ろしいと思いました。勇猛な武将マクベスは、魔女の予言にそそのかされ、また、マクベス夫人に急き立てられ、王位につくという野心を実現するために恐ろしい罪を重ねます。魔女の予言的なもの、運命といってもいいでしょうか、そういうものに飲み込まれ、破滅に向かう姿が描かれる凄まじい物語です。
シェイクスピアの新潮文庫版11冊が新たに図書館に備わりました。読み継がれ、演じ継がれるのは、これらの作品が物語の基本形のようなものを持っているためではないかと思います。冬休みに読まれてはいかがでしょうか。(図書館長)