富山福祉短期大学社会福祉学科を卒業後、高齢者分野で仕事しながら「介護福祉士国家資格」を取得された金子さん。現在は、介護福祉で培ったコミュニケーション力、知識を児童分野で活かしながら病児保育室で勤務されています。「介護福祉士国家資格」に続き、今回は「保育士資格」を取得されました。金子智里さんの近況、保育士資格取得について伺いました。
Q現在のお仕事の内容を教えてください。
新潟県内にある、こどもクリニック併設の病児保育室で保育士をしています。仕事は急性上気道炎や胃腸炎など病気を患ったお子様へ、遊ぶための環境作りと体調に応じてお休みができるようにケア(咳が続く場合、横になる時に呼吸をしやすいよう上半身を高くする、高熱の場合アイスノンを使って身体を冷やすなど)を行っています。
また、働く保護者に代わりお子様の寂しい辛い気持ちを少しでも癒す存在になれるよう、1人ひとりと向き合い関わる事を大切にしています。
Q保育士試験に合格して今の気持ちは?
とても嬉しいです。入職したての頃は、子どもとの関わり方などわからない事が多かったです。実際に子どもと関わる中で、試験勉強で学んだ分野を結びつけながら日々積み重ねました。
何よりも、先輩保育士の教えが子どもと関わる技術と病気への理解を深めてくれたからこそ、今回の合格に繋がったのではないかと思います。本当に感謝です。
Q試験に臨むにあたってどのような勉強をしましたか?
保育の勉強は初めてだった事もあり、通信教育でテキストを購入し基礎を学びました。
基礎を学んだ後は出題傾向に慣れるため、何度も問題集で勉強しました。
実技試験(音楽・造形・言語の3分野があり、私は造形と言語の2つを受験しました)では、過去の出題を参考に勉強しました。
造形は保育の一場面を時間内に描く試験です。練習では、登場人物の動きや色の塗り方を調べながら描きあげる事を意識しました。
言語はお題で出された絵本の内容を、身振り手振りで試験管の前で発表する試験です。子どもたちに伝わりやすく内容をアレンジし楽しそうな動きを考えたうえで、練習しました。また、家族にも協力を得て全体の流れでおかしい所がなかったか確認してもらいました。
Q保育士試験はどのような試験ですか?
保育士試験には筆記試験と実技試験があることを説明します。
筆記試験は9科目あり(社会福祉士など福祉系資格を持っている場合、一部科目の免除があります。興味のある方は‘‘一般社団法人 全国保育士養成協議会‘‘のホームページを確認してみてください。)全ての科目に合格する事で実技試験に進めます。
そして、実技試験は前述した通り3つの内2分野を受験しなければなりません。これらの試験をすべて合格する事で保育士として働くことが認められます。
私は元々、社会福祉専攻卒業で保育士資格はありませんでしたが、この業界に入って初めて取得できる事を知りました。そのため、子どもと関わる仕事に興味がある方は基礎を深く学べる、保育士試験も検討してみるのも良いかと思います。
また、福短では自分が目指す分野の試験対策を親身に教えてくれます。勉強計画の立て方や自分に合った勉強方法など疑問に感じたことは質問してみてください。
Q福短へ入学してくる高校生や、在学生に向けて、メッセージ、アドバイスなどお願いします。
人と関わるお仕事に興味のある方または夢を持っている方は、ぜひ1人ひとりと向き合い関わる事を大切にして下さい。
なぜかというと現実的な話をしてしまうと、子どもたちが過ごす保育所や高齢者の方が過ごす施設などは悩み不安を抱えており、様々な訴えが聞かれるからです。例えば、子どもが泣いている様子を観察して「親元を離れて寂しかったのかな」や「緊張しているのかな」など色々考察すると、次の段階の関わりや支援に繋げられる場合があります。
難しいですが実際に向き合い関わった事で、その子(人)らしくのびのび過ごす姿を見る事ができました。また、不安を軽減できて笑顔が見られるお仕事だと思います。そのため、人と関わる際には1人ひとりと向き合い関わる事を意識してみてください。
オープンキャンパスに参加してくれていた高校生の金子さんの最初の印象は、物静かな感じを受けましたが、本学在学の2年間、そして卒業後の数年で印象は大きく変わりました。実は芯が強く自分の意思をしっかりと持ち目標に向けて努力を続ける女性でした。そして、卒業後も新潟から“ふくたん”を訪ねてきてくれ、中村先生のもとで熱心に勉強を続けている金子さんをこれからも応援します‼