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図書館の本を読む-読書のたのしみ No.32 図書サークル生編

『障害を持つ息子へ ~息子よ。そのままで、いい。~』著者名:神戸金史 出版社:ブックマン社

 この本には、自閉症を持つ息子と、それを支える家族のリアルな日常が細やかに記されています。語りに入り込んでいくかのような書き方なので、読み手である私も第三者的目線ではなく、まるでこの家族の一員になったかのような感覚になります。自閉症児を育てることは難しくて自閉症児の母親は「この子を殺して私も死のうと思ったことが何度もある」と話しています。そして現実に何人もの保護者が育てにくいと悩んでいるそうです。
 自閉症児の育てにくさの主な要因は、その子との関わりの難しさや発達段階に見合った援助の取りにくさの他に、他者からの視線が挙げられます。親はどうしても「他人の迷惑になる」という考えから子どもに強く当たってしまうこともあります。それを見た第三者は何も知らないのに心無い言葉をかけます。そして親の受けるストレスは多くなり、虐待や無理心中に繋がるのではないでしょうか。
障害や病気などの情報が手に入りやすいこの現代社会でさえ、このような悲しい出来事は後をたちません。
 
私はこの本を読んで第三者的な目線ではなく、家族の目線で物事を捉え直し、保育者になる一人として障がいを持つ子どもや保護者にどのような支援ができるのかを考えようと思いました。(本の画像はありません)